新型コロナウイルス感染症予防・治療薬情報特設コラム
厚生労働省により承認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症予防。治療薬の一覧を下記に示します。
薬の詳細情報はリンクを張っています添付文書(日本医薬情報センター)及びKEGGデータベースを御参照ください。(夫々のアイコンをクリックしてください)
経口新型コロナ治療薬パキロビッドパック(ファイザー)およびゾコーバ錠125mg(塩野義)の他薬剤との併用に関する禁忌について
パキロビッドパックの主薬ニルマトレルビルは薬物代謝酵素CYP3Aにより分解を受けるので、有効性を高めるためにCYP3Aを阻害するリトナビルを同時に服用することになっています。しかし、リトナビルはCYP3Aにより分解を受ける他の薬剤に対しても影響を与えて副作用を惹き起す可能性が有りますので、他薬剤を服用している場合は注意が必要です。詳細はパキロビッドパックの添付文書を参照してください。
バキロビッドパックの併用禁忌(絶対に同時に服用してはいけない)とされている薬剤は以下の通りです。
アンピロキシカム、ピロキシカム、エレトリプタン臭化水素酸塩、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、アミオダロン塩酸塩、ベプリジル塩酸塩水和物、フレカイニド酢酸塩、プロパフェノン塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、リバーロキサバン、リファブチン、ブロナンセリン、ルラシドン塩酸塩、ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、エルゴメトリンマレイン酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、バルデナフィル塩酸塩水和物、ロミタピドメシル酸塩、ベネトクラクス<再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期>、ジアゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、エスタゾラム、フルラゼパム塩酸塩、トリアゾラム、ミダゾラム、リオシグアト、ボリコナゾール、アパルタミド、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(St.John's
Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
ゾコーバはCYP3Aの基質であり、強いCYP3A阻害作用を有します。また、P-gp、BCRP、OATP1B1及びOATP1B3に対する阻害作用も有します。他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないため、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、用量に留意して慎重に投与することが求められています。
ゾコーバ錠125mgの併用禁忌(絶対に同時に服用してはいけない)とされている薬剤は以下の通りです。
ピモジド、キニジン硫酸塩水和物、ベプリジル塩酸塩水和物、チカグレロル、エプレレノン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、シンバスタチン、トリアゾラム、アナモレリン塩酸塩、イバブラジン塩酸塩、ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕、イブルチニブ、ブロナンセリン、ルラシドン塩酸塩、アゼルニジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、スボレキサント、タダラフィル(アドシルカ)、バルデナフィル塩酸塩水和物、ロミタピドメシル酸塩、リファブチン、フィネレノン、リバーロキサバン、リオシグアト、アパルタミド、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
医療関係者特に薬剤師の方々は次の情報を是非御参照ください。
日本医療薬学会は「パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)の薬物相互作用マネジメントの手引き」(2022年2月22日公開)を作成し、服薬管理に必要とされる重要な情報を提供しています。(上記タイトルをクリックするとアクセスできます。)
パキロビッドの薬物相互作用に関する重要な海外情報は以下のタイトルをクリックすることによりアクセスできます。
スマホを利用されておられる方は、薬物間相互作用を手軽にチェックできる以下のアプリをお勧めします。
「薬の飲み合わせ」をテーマにしてシステム薬学研究機構が実施した市民講座(野田市)の資料を掲載していますので御参照ください(下記アイコンをクリック)。
感染症治療薬の解説
新型コロナ感染症の発生以前の2016年に「感染症に対する治療薬」をテーマにしてシステム薬学研究機構が実施した市民講座(野田市)の資料を掲載しておきます。新型コロナ感染症は当然、取上げておりませんが、感染症治療薬を御理解される一助になれば幸甚に存じます。是非御参照ください(下記アイコンをクリック)。